物件データ
ご実家で同居することになったAさんご一家。場所はにぎやかな商店街。1階はお母さまが経営する店舗と住居、2階は現在空き部屋という、鉄骨造の3階建てでした。1階は店舗とお母さま・お姉さまの居住スペース、2階～3階をAさんご一家の居住スペースに。玄関と水回りを新設し、お互いに気兼ねなく暮らせる二世帯住宅としています。また家の前は通行人が多いことから、木のルーバーでバルコニーを目隠しをしつつ、街に馴染むような和モダンの趣を演出。商店街の人々の心を癒してくれそうな、温もりある外観に仕上げました。「WICが欲しい」「書斎が欲しい」「子ども部屋が欲しい」といった様々なご希望があったことから、2～3階はできるだけ廊下を設けず、予備室を動線として使えるように。間取りの工夫により、限られた空間でご希望のスペースを叶えています。
建物の老朽化を解消しつつ、
二世帯で暮らせる住まいにしたい
２階の一部が事務所だったり、部屋が細かく分かれた間取りで、家族４人の住居として暮らせる状態ではありませんでした。また築30年の鉄骨造ということから、雨漏りなども気になっていたそうです。これらの問題を解消し、良好な関係を保つことができる二世帯住宅にリフォームしたいとお考えでした。
外観
人通りの多い商店街に位置する建物。木のルーバーで和モダンの雰囲気を演出しつつ、バルコニーをさりげなく目隠ししました。お母さまの店舗の横には、子世帯専用の玄関を新設。有効ブロックで玄関を隠し、ご近所からのプライバシーにも配慮しています。一方店舗は、ガラスの框扉で店内がよく見えるように。店舗と玄関でファサードをそろえ、モダンで洗練されたイメージに仕上げたこともポイントです。
リビング
3階の大きな窓からたくさんの自然光が注ぎ、階段室を明るく照らしています。そこで、リビングと階段室の間仕切り壁をFIXガラスとし、LDKにも自然光を取り込めるように計画しました。子ども部屋と予備室に入れたFIXガラスも、各部屋に自然光を届け、明るく過ごせるように。図書室を兼ねた階段室は居心地がよさそうです。本に集中するお子さまの様子は、LDKで過ごすAさんご夫婦までガラス越しに伝わります。
LDK
奥さまのご希望により、LDKの隣に２人のお子さまの個室をレイアウト。ロフトベッドを設け、2つの部屋をカーテンで仕切るなど、限られた空間をできるだけ伸びやかに使えるように工夫しました。普段は引き戸を開けたままにし、お子さまの様子がわかるように。キッチンからは、子供部屋〜リビング〜ダイニングで過ごす家族の様子が一目瞭然。奥さまは安心してキッチンに立てるようになったそうです。
リビング・ダイニング
理想はモダンで上質な空間。そこでフローリングには、上品な光沢と奥深い色合いのカリンを使用しました。リビング・ダイニングにはダークブラウンのTVボードと収納棚を設け、壁にはシックなモザイクタイルを貼っています。随所に飾り棚を設け、お好きなアイテムをディスプレイしながらたのしく過ごせるように。下がり天井に入れた間接照明は、華やかさと奥行きを感じさせています。
図書スペース
お子さまはたくさんの本をお持ちなことから、陽当たりのよい階段室を図書スペースとするプランをご提案しました。柱による凹みスペースを活かし、大きな本棚を造作。階段はベンチ代わりに座ることを想定して軽やかに計画。読書好きのお子さま達は大喜びで、気がつくとずっと座っていることもあるそうです。お子さま達がどんなに集中していても、「ゴハンできたよ～」という奥さまの声はしっかり届きます。
階段室
せっかくの自然光を遮らないよう、階段室には腰壁ではなく、縦格子の手すりを採用しました。お子さまが柵に上って遊ぶことがないように、吹き抜けまでの高さに設定。さらに格子の間隔を狭くし、転落防止に配慮しました。光だけでなく視線も通し、さわやかな開放感を感じさせてくれる階段スペース。吹き抜けから1階の階段ホールまで、心地よい光が広がります。